長編小説

□時を越え巡り合うは我が師 〜一章〜
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寂れた家々の間を通る道には敷き詰められたように真っ白な雪が積もっていた。

その雪道をサクサクと軽快に、又はザクザクと重そうに歩く音がかぶき町の空に響く。

「いやー、本当スーパーの特売でいい物たくさん買えて良かったですよ」

寒さのせいか頬をほんのり赤く染め、眼鏡をかけた少年――新八は両手に抱えた買い物袋を持ち上げ嬉しそうに微笑む。

「本当ネ!酢昆布もいっぱい買えて良かったアル!」

歩く新八の先を少し駆け足気味で先に進むチャイナ服姿の少女――神楽は買い物袋を片手に笑顔を浮かべている。

その買い物袋の中身は言うまでもなく大量の酢昆布が入っているのだろう。

ハシャぐ二人の後方で足取り重く、眼の下にクマを作りながらも歩くのは銀髪天パの男――銀時だ。

「……テメエ等よぉ、なんでこんなに寒い上に朝っぱらから元気なわけ?」

「何言ってるんですか、このぐらいの寒さで。それに今はもう昼時ですよ!」

「そうアル!子供は風の子、このぐらいの寒さなんて平気アル」
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