長編小説

□時を越え巡り合うは我が師 〜五章〜
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悲しみに暮れる子供達はこの先どんな道を辿るのだろうか

あの子等の待つ先は決して平穏な世界ではない

彼等を不倶戴天の敵とみなし修羅になり、一時は教えた道をも誤るだろう

けれど私は信じたい

あの子等に説いた教えを、過ぎ去ってしまう己の思想、想い、それらを今再びあの子等の心の奥底から呼び起こすよう、私は何にでも願う事を忘れない






――……これは誰の想い?







……そうだ、今の私には関係ない事だ

私は私の意趣を晴らすだけ

この想いが私の全て

だから私は彼の次にまた別の人間を殺さなければ

命令されたからだけではない

これが私の本当の想いの筈だから

……けれど何故だろう?

疑問が湧く前のあの想いは今の私であって私ではない何かの想い

真っ暗な、一寸の光さえ届かない思考の果てに記憶し想った心






――……これは誰の想い?






……嗚呼、そうか

これは私自身であり、私の最期の想いなのか

けれどまた私はあの子等に意趣を抱いた悲しき師に成り変わってしまう

私はまだ、あの子を傷付けてしまった罪深い師として償いをしていないのに

それなのにまた想いが偽物になってしまう






――……どうか私がまた貴方を、貴方の大切なモノを傷付ける前に……










――……私を殺してください、銀時……
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