過去小説置き場
□宅配物には気をつけロッテンマイヤーさん(笑)
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――ピンポーン……
それはいつもの賑やかな万事屋内に響き渡る不気味なインターホン。
……と、思っている者はもちろん誰もいない。
後にそう感じたのは今回の奇妙な物語の当事者になる坂田銀時だけだ。
新八は「はーい」と返事をすると徐に座っていたソファーから立ち上がり玄関へと向かう。
開いた玄関の先には人の良さそうな笑みを浮かべた中年の男が立っており、その両手には小さな箱のような形をした包みが収まっている。
「宅配です。ここにサインをお願いします」
「あ、はい。分かりました」
サラサラと慣れた手つきで差し出された紙にサインをし、男からその小さな包みを受け取る。
「まいど、ありがとうございました!」
ペコリと一礼し去っていく男を見送ってから新八は包みを手にリビングへと戻る。
「銀さーん」
「んあ?」
愛読書であるジャンプを顔の上に置きながら仰向けになってソファーに寝そべる銀時が返事をすると新八は包みに貼られた宛先を見る。
「銀さん宛に荷物が届いてますよ」
「誰から?」
「坂本さんから」
「よし、今すぐ捨ててこい」
新八から発せられた名前に一言で一蹴する銀時。
それに新八はすかさずツッコむ。
「うぉぉおおい!!!いきなり捨てろってそりゃひどくないですか!?」
「五月蝿ぇー、アイツが関わってくる時は何かと面倒ごとが起きるんだよ」
「な、何でそんなことが分かるんですか?」