長編小説
□白き華は朱に染まる 〜不穏〜
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「要人警護?」
「はい」
あの花見の日から数週間後、まったくといっていいほど仕事がなかった万事屋に久しぶりに仕事が舞い込んできた。
それに、「これで久しぶりに米が食べれる!!」と泣いて喜ぶ新八と、「これで久しぶりにパフェが食える!!」とガッツポーズをする銀時。
ちなみに神楽は定春と一緒に散歩中だ。
その2人の喜びの態度に多少戸惑いながらも話を続ける依頼主。
「警護を頼みたいのは私が仕えている主人なのですが、先日何者かから主人の命を狙うといった手紙が屋敷に届きまして…」
「その何者かに心当たりは?」
新八の問いに依頼主は頭を振る。
「分かりません…。何故その者が主人を狙うのか、その目的はなんなのか、その一切が分からないんです」
「でもそんなことなら僕らに頼まず警察に頼んだ方がいいんじゃ…」
新八の意見に依頼主は困った顔をしながら言う。
「そのー…、主人は警察等があまりお好きではないので…」
依頼主の言葉に「う〜ん」と唸りながら新八は銀時に視線を向ける。