REBORN!

□特別校則
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「姫ーっ」

「うわあぁっ!」







同時に、ずしんと重くなる体。
……………正確には抱き着かれてるんだけど、全速力の助走のまま突っ込まれたも同然な訳で、その効果音は“ぎゅっ”なんて可愛いものじゃないし、甘ーいものでもない。

綱吉はカッコよくて優しくて、自慢の彼氏なんだけど一つ欠点があって…………







「ねー姫、もうちょっと女の子らしく“きゃあっ”とか言えないの?」

「誰のせいよ、誰の!
綱吉がいきなり突っ込んでくるのが悪いんでしょ!」

「突っ込むだなんて、ホント淫乱だね姫。
昨日あんなにシたのに足りなかった?」

「は?」

「やだなー、あんなに深く濃く甘ーく愛し合ったじゃん」

「……あのさ、妄想するのは良いけどそこに私を登場させるのは止めてくれないかな?」

「姫ってばベッドの上だと素直なのに……。
まぁ、ツンデレっていうのも姫なら萌えるけどね☆」








…………そう、綱吉は超が付くド変態なのです。
付き合う前は、純情でピュアって感じだったんだけど、それは完全な私の思い込み、勘違いだった訳で。








「………で、何の用なの?」

「ああそうだった!
実はオレ、姫に頼みたいことがあるんだけど……」

「…………頼みたいこと?」








怪しむ様な目で見れば、にっこりと笑みを浮かべる綱吉。
まともなことじゃないのはわかりきってるのに、それでも聞いてしまう私は相当溺れちゃってるなぁ、なんて。








「姫、スカート丈膝上20センチにして!」

「……………はい?」








膝上20センチ。
なーんて単語が聞こえたような気がするけど、それはきっと私の聞き間違………








「だーかーらっ、スカート丈膝上20センチにしてって言ってるの!」









……いじゃなかった。
わかってた、わかっていたけれど膝上20センチなんて聞き間違いだと思いたかった………っ!

変態な彼氏の要望で、私のスカート丈はただでさえ短い。
今の丈でもどうかと思うけど、膝上20センチとか制服で絶対やっちゃいけないと思う。
この丈で咬み殺されてないのが不思議なくらいなのに、膝上20センチなんてそんなことしちゃったら、雲雀さんのトンファーが間違いなく飛んできて咬み殺されるに決まってる。









「大丈夫だよ、姫。
僕が許可したから。」

「ひ、雲雀さん!?」

「そういうことなら認めるよ、だって☆」

「(使 え な い な こ の 人 !)」








いつもはお昼休みになるとご飯を食べに二人で屋上や中庭に行くのに、今日は“屋上で待ってて”の一言だった。
その間に雲雀さんに許可取りに行ってたんだ、絶対。








「でも雲雀さん、膝上20センチなんて………」

「構わないよ。
秩序は僕だからね。」








ガラガラ。
私の中の小さな期待は、雲雀さんの一言によって音を立てて崩れていった。
でも期待した私が悪い。
だって、雲雀さんはこういう人なんだから。








「そういうことだから姫、早く折りなよ。」

「え、今から、ですか………?」

「当たり前でしょ?
早くしないと咬み殺すけど」








今にもトンファーを取りだしそうな雲雀さんから逃げるようにちらりと綱吉を見るけど、綱吉は妖しい笑みを浮かべていて。








「ねぇ姫。
オレが折ってあげようか………?」








危機的状況、絶体絶命。
ここで逆らうのは、色んな意味で危険。
……必然的に、回避するには一つしかなくて。








「お、折り、ます………」














特別校則、スカートは膝上20センチ!
(あれ……そのスカート丈、どうしたの?)
(聞いてよ京子ちゃん、さっきね………っ!)
((あの変態二人……!
早くどうにかしないと私の姫ちゃんが危険だわ………っ))










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変態な綱吉&雲雀さんと、(微妙に)黒い京子ちゃん







2011.03.01

 

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