REBORN!

□ありのままを全て
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姫袖の白いブラウス、レースをたっぷりあしらったワンピース。
ふわふわのパニエ、柔らかいドロワーズ。
毛先が緩くカールしたミルクティー色のロングウィッグ、お洋服に似合うような甘いメイク。
お洋服とお揃いのリボンのカチューシャ、オーバーニーにアクセ。
ハートの付いた靴に、リボンの付いた鞄。
白くてレースの付いた日傘をさして一歩踏み出せば、あら不思議。
見慣れた街が、キラキラして見えるの。





私は、所謂ロリィタが好きだ。
甘ロリにクラシカルロリィタは勿論、ゴシックや王子……とにかく、原宿系のファッションが好き。
でも、今日は甘ロリに身を包んだ。
というのも、今日はとある甘ロリブランドさんのお茶会があったのだ。
今はその帰り。
可愛いお土産を貰ったし、盗撮も中傷もなくて、凄く浮かれてた。
そう、ついさっきまでは。







「姫、えっと、その……」

「………」






恋人である綱吉に会ったのは、私の家の近くの公園。
もうすぐ夜ご飯だから、と奈々さんにランボくんとイーピンちゃんを迎えに行くよう頼まれたらしい。
ああ、やっぱり綱吉は優しい良いお兄ちゃんだなぁと思………っというのは、今はどうでもよくて。

私の格好を見た綱吉は、ずっとこんな感じ。
何か言おうとしてるけど、そこから先が出てこないみたいだ。
……………あああ、何で返事しちゃったんだろう私。
「すみません、人違いではないでしょうか?」くらい何で言えなかったんだろう私!






「…可愛い」

「へ?」

「めちゃくちゃ可愛い!
凄く似合ってるよ姫っ、お人形さんみたい!」

「………」

「姫?」

「その……、気持ち悪い、とか……思わないの?」






道の真ん中だというのに私を思いきり抱き締める綱吉にそう聞くと、至極不思議そうな顔をされた。
その顔をしたいのは私の方だ。






「こんなに可愛いのに、そんなこと思うわけないじゃん」

「でも、綱吉さっき何だか言いにくそうだったし…」

「それは、可愛すぎて何て言えば良いのかわかんなかったというか…」





少し頬を染める綱吉に、また驚かされる。
この格好はよく批判や冷やかし、中傷や盗撮なんかもあったりするし、綱吉が言い澱んでいたのはそういう関連だとばかり思っていたのに、綱吉はその反対を言ったのだから。






「……彼女がしてても、嫌じゃないの?」

「そりゃちょっとビックリしたけど、趣味とかファッションは人それぞれ自由なわけだし……。
というか、こんなに可愛いんだから、むしろ大歓迎だよ」






綱吉は優しい人だけど、私にはお世辞を言ったり、嘘を言ったりするなんてことは絶対ない。
だから、綱吉の言葉が本当だってことはよくわかって。






「というか、さ。
何で今までオレの前で着てくれなかったの?」

「それは、その……。
批判されたりとか、別れようとか言われたくなくて……」

「オレ、こんなことで別れようなんて言わないよ?」

「…それはわかってる。
でも、不安だったの」






綱吉がそんな人じゃないっていうのはわかってるけど、もし言われたら、と思うと言えなかった。
偏見を持ってたりする人も多いから、余計に。
だから、付き合ってもう何年も経つのに言うことが出来なかった。
…………いや、何年も経つからこそ、言えなかった。






「ねぇ姫、これからはオレの前でも着てね?」

「……良いの?」

「当たり前でしょ?
オレは姫の全部が好きなんだから」

「綱吉……」

「付き合い始めた頃は、姫と一緒にいるだけで良かった。
でも今は、姫のこと全部知りたい、って思っちゃうんだ」






「欲張りだね、オレ」
そう言って苦笑する綱吉が、どうしようもなく愛しくて。
今度は、自分から彼に抱きついた。










ありのままを全て
(私も同じ。貴方の全てが知りたいの。)









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ロリィタ大好きな夢主と綱吉。
表現しきれてないけど、お互いに溺愛してる設定←







2011.11.27

 

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