Celeste Blue(二次)
□鐘を鳴らして
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【Side-Light】
「・・・ずっと・・・一緒にいる事を・・・誓うよ。」
闇に浮かんだ2色の目は、あまりにも深い色で私を捉えていて、それがそのまま、言葉の少ない彼の思いの強さなのだと、胸を打たれた。
彼の言葉は私のそれよりも、ずっと少ない。
故に1つ1つが重く、また貴重であり、愛しく感じるのだ。
幸せだ。
だがそれは沸き上がる、あるいは弾けるような幸せではなく、ヒタヒタと満たされていく静かな幸せだった。
それは静かな、そして2人きりの結婚だからかもしれない。
一一一一一一一一一一一一
1週間前にここで行われたルークとシーラの結婚式は、それはそれは華やかで明るくて、出席した私の目も眩むぐらいだった。
私たちの結婚式は、それよりずっと簡素なものだ。
幼い頃に憧れたのは、ライスシャワーやフラワーシャワーが降り注ぎ、親しい友人に囲まれた結婚式。
それを思えば、自分がこんな結婚式に幸せを感じていることは、驚くべきことなのかもしれない。
誰にも今日の結婚式の事は告げなかった。
ただ、結婚するとしか伝えなかったので、皆複雑そうな顔をしたが、優しい人達だ、最後には祝福してくれた。
何も聞かずに、私と彼の決断を受け入れてくれた。
そして皆が思い思いの品を私と、そして魔法使いさんにも贈ってくれたのだ。
“すまないと、僕と・・・父上も思っている。”
ギルが、私と魔法使いさんの分だといって花の種をくれた。
本当はブーケやコサージュにと生花を贈りたかったらしいが、果たして挙式に準ずるものをするのかと考えたらしい。
単純な理由だ。
彼に、魔法使いさんには戸籍がない。
だから届けを出すことも、町長さんが許可することも出来ないのだ。
様々な理由が挙げられるが、一番の理由は彼の寿命かもしれない。
きちんと聞いたことはないが、彼の生きる時の単位は私たちのそれとは違うらしいから。
私は首を振った。
ギルと町長には何ら非はない。
寧ろ祝ってくれたお礼さえ言いたいというのに。
だから済まなさそうにするギルにだけは、真夜中の結婚式のことを告げた。
ギルは、それはよかったと少し微笑んでくれた。
今思えば、こんなにすんなり真夜中の教会に入れたのも、ギル辺りが根回しをしてくれていたのかもしれない。