Celeste Blue(二次)

□右手を繋ぐその前に
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【ギャグストーリーは突然に】

「そういえば、真田先輩と同じ寮なんだよね。」

転校早々ドラマチックな展開に(クラスメイトと生徒会長が悪と戦う美少女戦士でした。)戦々恐々してたけど、至って普通そうな友達もできた。
席の近い麻衣ちゃんと絢香ちゃんが気さくに話し掛けてきてくれたので、何とかやっていけそうな予感がした(怪物云々はこの際置いておこうか!)

「あー!ファンクラブの子がキーキー言ってた!」

ボブの麻衣ちゃんに、ロングストレートの絢香ちゃんが相槌を打つ。
最初会ったときに、これでゆる巻きセミロングがいればパヒュームなのになぁ、なんて思ったものだ。

「真田先輩?ファンクラブ?」
「あれ?知らない?そっかそっか!まだ来たばっかりだしね。」
「まー直ぐにわかると思うけどさー。」

一瞬記憶を辿る。

「あぁ・・・!アバラの先輩の事?」
「アバラ!」

何そのマヌケな覚え方!
麻衣ちゃんのツボにジャストフィットしたらしく、ヒーヒー言いながら爆笑された。
かわいいのにちょっとおばちゃんっぽい笑い方だから、残念な事になってる。

「っちょ、麻衣やめやめ!ファンクラブ睨んでるよ!」

絢香ちゃんがほらと目線で合図をくれる。
視線をそっと辿ってみると、はっきりこちらを睨んでいる化粧のケバい女子がいた。

「何あのケバ子。」
「あれがファンクラブの子!すごいよ、ちょっとでも真田先輩の悪口言ったり、話し掛けたりすればあんな顔するもん。麻衣も笑うのストップ!」

まだヒーヒー言いながらも、麻衣ちゃんは頷く。

「でもなんでアバラなんて折るの!?意味不明すぎると思わない?」
「あー、それはシャドウ・・・。」

ハッと視線に気がつくと、ゆかりと順平の慌てた様な視線が向けられている。
何を言わんとしてるのか、わかり過ぎるくらいわかったので、コクコク頷いて見せた。

「シャドウ?」
「あー!ほらシャドウボクシングに夢中になって電信柱に激突!みたいな!間抜けにも程があるだろーって!」

やましさの余り普段の三割増しで動く口。
その様を想像してしまったらしく、今度は絢香ちゃんまで噴き出してしまっている。

「絢香ちゃん!ファンクラブが!」
「だって道端でシャドウボクシングってキモいにもほどがある・・・って思って!なまじ顔整ってるから更に!」

確かに真田先輩はかっこいいけど、無理!
麻衣ちゃんの言葉に、絢香ちゃんもそう相槌を打った。

「でも本当、ファンクラブには気をつけなよね!」
「前岳羽さんも苦労したらしいよ。」

じゃあね、と二人が部活に行く。
私も何か部活に入れればいいなぁ、なんて思っていると、ちょっと来てなんて声をかけられた。
振り向くとそこには先程のケバ子と不穏過ぎる空気の女子が立っていた。

順平風に言えば、お手上げ侍!なムード。
麻衣ちゃん、絢香ちゃん。
警告遅かったー!




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