Celeste Blue(二次)
□右手を繋ぐその前に
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【正義のヒーローはここぞというときに、(アバラが)ボロボロでやって来るのがセオリーです。】
「ちょっと、あんた何様?」
「いやもうただの小市民なだけですから離してくださいぃい!」
ヒエラルキはジャイアンとのび太の関係。
もちろん私は底辺ののび太で、ドラえもんはいない(鞄の中に一応いれてあるレプリカ銃が秘密道具なら。)
「・・・ドラえもんは桐条先輩?」
「は?」
「いぃいいえ!何でもないです!」
勇気は漢どころかチキンで、今欲しい道具は通り抜けフープ。
背中に迫る(多分)体育館の壁を通り抜けて逃げ出したい!
「大体転校生の癖に生意気なんだよ!」
これは何て言うか、のび太の癖に生意気なんだよ状態?
だめだ!
ピンチの時こそ頭が働くというけれど、働いた頭はどうも真面目な思考をしてくれないらしい。
「何とか言いなさいよ!」
これでこの泥棒猫!とか言ったら昼ドラなのになぁ、とか思っていると、右肩辺りをドンと突き飛ばされた。
昨日のタルタロスデビューで、シャドウの洗礼を受けた箇所だからビリビリ痛い。
「何をしてるんだ?」
ドラえもん!
にしては爽やかな声に視線を向けると、そこにいたのは(私的に)諸悪の根源の真田先輩。
どうもイマイチ空気詠み人知らずな人だが、取り敢えず今日のところは空気を読んでくれたらしい先輩は、ちょっと来てくれと体育館裏から連れ出してくれた。
↓続ける。