Celeste Blue(二次)
□目覚めと微睡みのエチュード
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「あたし、嫌われちゃったんです。」
思ったことは、泣き腫らした目なんかより、ポツリとアンニュイに言葉を紡いだその唇の艶のほうが、よほど私の胸を打った事だ。
きちんとグロスの塗られた唇。
潤んでいるように見えて、その実、カピカピに乾いていることを知るのは、斯く言う私もそれを使うメスだからだ。
ネコのようにしなやかな、目の前の少女を抱き寄せると、毛こそ生えてはいないが柔らかで温い肌から、ベリー様の香が立ち上る。
毎夜トリートメントが施される、男の為に煌めく淡色の髪を優しく撫でると、本当のネコより愛らしく目を細める。
さらりとした質感の髪からのぞく白い項と自分の深紅の爪が、もうどうしようもないほど生々しかった。