Celeste Blue(二次)

□NON STOP LOVE
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【逃がさない、逃がせない。】

約束していたプールが出来たのは、年の瀬だった。
彼女も楽しみにしているのだからと、一緒にいこうと誘ったのだが、やんわりと断られてしまった。

何か用事があるとかそういう断り方じゃないのはすぐに分かり、泳げないのかと思い直してみたが、夏に屋久島に行ったときはなかなか上手かったのを思い出す。

「あ、あー、その、ですね。水着、破いちゃって!」
「破ったって、タルタロスでか!?」

しまった!と一つ年下の彼女は普段の飄々とした冷静さを失って慌てる。
待て!と制止を掛ける前に立ち上がり、脱兎の速さで逃げていった。

「あー、やりましたよ。あたしと順平と美鶴先輩で夏頃。順平の装備の中で水着が一番守備力高かったので、あの子が着せたらあのバカ、素晴らしい企画ーとか言うからあの子までノッて!」

確かあの日真田先輩いませんでしたよねと付け足した岳羽の言葉に、順平のテンションと悪乗りする彼女と、半ば諦めている岳羽と美鶴が浮かんだ。

「て!ちょっと待て。そのーあ、あいつ水着を破いたらしいが!?」
「はい?いや、そんな事になってたら順平死んでますって。あの子ルシフェルで魔法使うから、動かないし。」

岳羽が不審そうに首を傾げる。
なら何故彼女はあんなことを言ったのだろうと思ってると、美鶴が岳羽を呼んだらしく、失礼しますと岳羽もそちらに向かった。

「何すかー?真田先パイ??んなにリーダーの水着見たいんすか!やっぱ男っすねー!!」
「・・・電撃か打撃かは選ばせてやろう。」

ちょっとしたジョークっすよ、と慌てる順平を追い払おうとすると、順平はさらりと、オレ知ってますよーと宣った。
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