Celeste Blue(二次)

□二次創作拍手置場
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【NEVERTHELESS】
女主→順平

思えばあれほど顔色のいい彼女を見たことが無かったな、と少し場違いな事を思っていた。
色付いた“人形だった少女”は同性の私から見ても、正直可愛い。

「順平、ハンカチ。あ、誰かみたいに使ったヤツじゃないから。」
「わ・・・悪ぃ・・・っ涙、とまんね・・・嬉し、すぎて。」
「はいはい。さっさと拭く。鼻水つけないでね。」

帰り道、少し距離を空けて隣を歩く順平にハンカチを放る。
冬の薄ボケた夕日は目に優しくて、同じように優しい彼は、きっとこの景色を忘れないんだって思った。

緑の月の下、ハンカチで始まった恋は、赤い夕日の下、ハンカチで終わらせなければいけなくて。
泣こうにもハンカチは彼に貸してしまっていたから。

吊橋効果だったんだ。
そう笑うフリをした。

【NEVERTHELESS=それでもなお】
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