MAIN NOVEL
□存在感の存在
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『‥‥‥‥一応確認するけど、君‥‥宵風だよね?』
相澤家から帰った壬晴の第一声。
再度縁側にいくと、先には見えていなかった宵風の姿を発見する。
『何があったかはあえて聞かないけど、今度からウチに来るときはちゃんと玄関から入ってきてね。あ、あと靴もちゃんと脱ぐこと。』
言いながら、壬晴は尋常じゃないほどに宵風に絡み付いているコードをスルスルとほどいていく。
「‥‥‥‥‥‥‥。」
『はい、とけたよ‥ぅわっ』
コードをほどき終え、宵風に自由を与えた途端、急に視界が揺らいだ。
『‥‥、宵風?』
「‥‥‥‥‥‥」
手を止めた途端、宵風が抱きついてきた。
少しびっくりしたけど、何だかいつもと違うかんじがしたから、抱き締め返して、聞いてみた。
『どうしたの?』
「絡まってて‥‥寂しかった。」
なるほど。
『宵風、今日ウチに泊まってく?』
「え‥‥‥いいの?」
『だって、寂しかったんでしょ?』
「‥‥‥‥泊まる(花)」
『ベッド一つしかないから一緒に寝ようか、』
「うん(華)」
その晩、六条家には甘いあえぎ声が響きわたったそうな←問題発言