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□ゆるやかな鼓動
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昨日の晩、誕生日だったリボーンに「クッキーが食いたい。ツナ、お前焼け」と言われた俺は五回も駄目だしをくらって、日付が変わった六回目でなんとかお墨付きを貰った。そして今朝起きると、リボーンの姿はなく「夜中には帰ってくる」と置き手紙のみがベッドに置かれていた。
リボーンの奴、俺には祝わせて俺の誕生日はスルーか…………やっぱりリボーンはリボーンだ………と鞄を抱えて学校に向かうことにした。


「おはようございます!十代目!」
「ツナ、おはよ!」
「うん、おはよう獄寺君!山本!……って最近いつも山本も迎えに来てくれるんだね」

そう聞くと獄寺君と山本が同時に顔を見合わせ、山本に気にすんなと肩を叩かれる。獄寺君はなんで照れてるんだろう。気にせず歩き出すと、三人で話ながら学校に向かう。と、しばらくして学校の正門が見えてきた、………が、すごいなんとも言えない淀んだオーラに嫌な予感が過ぎった。いつもなら登校する生徒がいるはずの時間なのに、少ないのが気になる。あー気のせいだといいなと願いながら正門前に来ると、俺の嫌な予感は適中してしまったようだ。
正門に到着した途端、見えるのはうちの学校の風紀委員長と何故いるのかパイナップル頭。正門前でバトルを繰り広げている。

「君……目障りなんだけど。早く帰らないと殺すよ」

「僕には用事があるんです。君には邪魔する権利はないと思いますが」

なんで朝からバトルを繰り広げてるのかは知らないけど、よりにもよって……何故今日なんだろう。と、ため息をつくと、こっちに気付いたのか、骸が山本を、ヒバリさんが獄寺君を一瞬の踏み込みで弾き飛ばしてから、俺の方を向く。

「ひぃっ!ご、獄寺君!山本っ!………い、いきなり何するんですか!」

俺が慌てて二人に駆け寄ろうとすると、ヒバリさんに腕を掴まれる。

「行かなくていいよ、少し怪我してても不本意だけど治療しとくから………」

その言葉にホッとすると、ヒバリさんが視線を反らした。
「(小声)………………まぁ明日まで監禁はするけどね」
「ヒバリさん……最後になにやら聞こえちゃいけないと思われる呟きが聞こえたような気がするんですけど。………ダメですよ!二人を返し」

「僕を無視しないで頂けますか?綱吉君」

ヒバリさんに腕を掴まれていた俺は急に骸に引き寄せられた。骸を見上げると何やら不満そうな顔で見下ろされる。……………なんでそんな顔してるか知らないけど、ヒバリさんが睨んでるから、とりあえず離してくんないかな……と、困った顔をしていると、ヒバリさんに引っ張られて歩き出される。

「綱吉、君に話があるからちょっとおいで」

「雲雀恭弥!話なら僕も綱吉君にあるので勝手に連れていかないで頂けますか?」

なんなんだこの状況。俺は話が見えず困った顔のまま様子を見ていると、また二人はバトルを始めてしまった。トンファーと槍がぶつかる音がし始める頃には手を離されたので、俺は獄寺君達が大丈夫か駆け寄ろうとした。が、姿はない。……………あれ?

「獄寺君!山本!ど、どうしよう!」

「あの二人なら抵抗したので血まみ……ゴホンッ、じゃなく、怪我していたので風紀委員会特殊医療部隊により、並盛病院に運びました」

「草壁さん?!」

今血まみれとか特殊医療部隊とか、ツッコミ所満載に何か言われたけど……俺がダメツナなばかりに連れてかれちゃったよ〜…………うわー!ごめん二人とも〜…と泣きながら頭を抱えていると、風紀委員の団体がいきなり走って来て、何やらデカイ籠に乗せられ、持ち上げられた。





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