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□祝福の鼓動
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「あと………砂糖は家にあるからバターくらいかな」

俺は買い物籠を覗き込み確認する。母さんに相談して書いたメモを見ながら歩いていると、脚に何かがへばり付く。下を見ると黒い毛玉。

「ツナー。ランボさんにブドウ飴買えー」

「却下」

「ぶー。ツナのケチ!」

「ケチでいいよ」

「いいんだもんねーランボさん勝手に入れちゃうも……ぴゃ!」

ひょいっと首根っこを掴んでランボを持ち上げると、ジタバタ暴れ出す。それを気にせず目をじーっと見るとランボが大人しくなる。

「母さんからランボ最近虫歯があるから飴買い与えるの禁止されてるんだよ。だからダメだってわかるよな?」

俺が諭すようにいい聞かすと、ランボが小さく唸ってから大人しく頷く。俺はほっとすると、ランボを降ろして、偉い偉いと褒めてやると、ランボを連れてラッピングコーナーで紫のリボンとパッケージを買うと、レジにあった小さいチョコを一個籠にほうり込みレジで会計を済ませた。
ランボを連れて外に出ると時計を見ると4時。俺はランボがチョロチョロ走るのを時々注意しながら家に向かって帰ることにした。



家に着いて頼まれたお使いを母さんに渡して自分の買い物を確認していると、母さんがニコニコと俺を見つめている。

「ん?何?」

「ツッ君なんだか楽しそうだなぁって思って」

「そ……………そうかな。そ、それより!今日の夜はキッチン貸してね?」

「ええ、分かってるわよ。雲雀君に渡すんでしょ?ツッ君最近お世話になってるものね」


俺がきょとんと母さんを見返すと少し苦笑してから小さくそれに同意した。……確かに世話になってるかも。世話してる感も否めないけど。買い物をしたものからチョコを一個取り出すと、残りをちび達の届かない所に置き、リビングで買ってもらえなくてふて寝してるランボの髪に『歯磨きちゃんとしろよ』と書いたメモをつけたチョコを突っ込んでから、二階に上がったのだった。



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