恋詩集
□失った日
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桜舞う風の中
共に手をとり同じ道を歩き始めた僕等
満面の笑みを浮かべて僕の名を呼ぶ君
小さなことで幸せを感じていた
だからひたすら願った
小さな幸せが崩れませんようにと
季節は春から夏へかわり
ジリジリさすような陽射しの下
なぜか君は僕と違う道を行こうとする
いつも繋ぐ手も今日は空回り
いつもと違うけどどうしたの
ただ笑ってごまかす君
その顔に秘められた気持ちが僕にはわからない
だから僕は苦笑いで返すしかない
突然の通り雨
君は僕の前を逃げるように走って行く
つられて僕も走り出す
追いつきそうで追いつかない距離
いつもならすぐに君の手掴んで抱きしめられるのに
おかしいね
雨が上がり徐々に陽射しが街を照らす頃には
君の姿は何処にもなかった
君を失った僕はここから動けない
君は何処へ行った