短編
□ありがとう
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学校が終わると、私たちはいつも手をつない で帰る。 私の家の近くまで総悟が送ってくれて、そこ でバイバイ。
「総悟」
「?」
私は総悟の制服をひっぱって、こちらを向い た彼の唇にちゅっとキスをする。
「フリースローのちゅう」
「……。ちょっと軽すぎやしやせんか?」
「んーじゃあ、もう一回?」
もう一回って私が両腕を伸ばすと、総悟が甘 い甘いちゅうをしてくれる。 この瞬間がいつも幸せすぎてどうにかなっち ゃいそう。 これで明日もまた頑張れるっ。
唇が離れると、私はニコッと笑って、いつも の言葉を口にした。
「それじゃぁ…総悟、今日も、ありがとうね 」
「ん。こっちも、ありがとなァ」
「うん。また明日」
「おう」
私たちは、別れ際や一日の終わりに、必ず『 ありがとう』を口にする。 会えない日でも電話やメールで、欠かさず『 ありがとう』って、伝える。
付き合った日から、毎日欠かしたことはない 。
自分と一緒にいてくれる。 ただそのことに、感謝をする。 一緒にいることの嬉しさとか、ありがたさと か、そんな気持ちを忘れないために。再確認 するために。
二人想い合えた、あの奇跡みたいな日を思い 返して、感謝をする。 思い返すことで、いつも新鮮な気持ちで、彼 と向かい合う。
これが秘訣かは分からないけど、私はすごく 大切なことだと思ってる。
総悟。 私と一緒にいてくれて、本当にありがとう。 これからもよろしく♪
→あとがき
お礼がしたくて
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