短編

□(高杉切甘)大切だから
1ページ/4ページ



「晋助ぇーーっ!!」


「…ちっ。また来たのか…名無しさん」




それほど大きくない空き家に車座になる3人。





ソコに居るのは、高杉。桂。銀時。




俺たち攘夷志士は戦争も終わり、こうして形見を寄せ合いひっそりて暮らして居た。






ソコへ、うるさいほど俺の名前を呼び…


いや、あれはもう……“呼ぶ”




の分類じゃなくて、
“叫ぶ”だな…






で、その叫びながらやってくるのは名無しさん。







こいつがここへ来るなんてのは、もう日常茶飯事。







「晋助ぇーvV」



そう云いながら、俺に抱き付こうとするのを難なりとかわし、向き直る。



「またてめェか。毎日毎日ご苦労なこったなァ…ウゼェ」


「ム。何よ晋助!最近あたしに冷たくない?もぉ〜照れちゃって可愛いvV」


「照れてねェし、腕に手ェ回すの止めろ。殺すぞ」





俺は真剣を鞘から少しちらつかせる。





まぁ、こんな感じで俺にしつこくまとわり付いてくる。





ほんっとにウゼェ。









「ねぇ〜名無しさん。何でそんなに高杉が良いの?こいつの何処が良いワケ?」



銀時がそう問い掛けると、名無しさんはニッコリ笑って答えた。





(…笑顔は可愛いのになァ…)











「何処が良いって?そんなの全部っ!!晋助の何処か一つでも欠けちゃ駄目なのvVあの時から私は晋助にゾッコンなのよぉ〜vV」







俺は、抱き付こうとする名無しさんを横目に見ながらも、“あの時”と云う言葉に耳を傾けていた。











次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ