-幼馴染の特権-
ある日いきなり現われた赤ん坊にマフィアになれと宣言を受けた日から続く幼馴染の愚痴は最近なくなってきた気がする。
私としては喜ばしいことである。
別に相談を受けることが嫌なわけじゃない。
彼のその話は聞いていて楽しいし、なにより本人がヤダと言いつつも結構顔が晴れやかな時が多いからだ。
隣の家ということもあって、
「ちゃおっす」
なんて可愛らしい声で挨拶をして遊びに来るリボーン君からもツナのことを聞くとなんだか私がいなくても大丈夫かなって気になる。
そんな寂しさもリボーン君は見逃さず、ぺちっとそれはまたプニプニした手で鼻を叩く。
その行為に年下に慰められてどーする、と苦笑いも出てくるけどとても居心地が良かった。
「ツナはお前がいるから前に進もうとしてるんだぞ」
なんて。
そんなセリフ子どもが言うにはちょっと早いんじゃないかなって思うよりも先に
「こんにちはー」
と、聞きなれた声が下から響いて私は思わずリボーン君を見る。
彼はニッと笑って
「俺もお前のこと気に入ってるぞ」
少し気恥ずかしい台詞とともに窓から去っていった。
狙ったかのように部屋のドアが開いてツナが当たり前のように入ってくる。
今日はどんな話しが聞けるのか、楽しみにしている自分もいて
あの二人の男友達を思い出し優越感に浸るのだった―――――。