3色フレーバー
□苺の正しい食べ方
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確かにミーアだって考えなかったわけではない。
だが、ラクスのイメージは清純そのもの。まさか、そんな風に乱れた姿など浮かぶ筈がない。
「見てみる?」
「え?」
ミーアの思考を読み取ったのかキラは寝室に繋がる扉を指差し、ほくそ笑んでいた。
「君は従姉妹で女の子だから特別に、ね」
「…!」
それは、リアルな態度と発言。
さすがのミーアも真っ赤になって言葉を失った。
この扉の向こうにどんなラクスがいるんだろう。少し興味はあるが、実際目の当たりにするのは怖い。
感情が揺れる中、キラが消えているのに気付いた。
「見ないの?」
「…見ないわ。ラクスだって、見られたくないでしょ」
リビングに行くと冷たい麦茶を飲み干した彼に再会した。
しばらくは、キラと2人。それは嫌だが、このまま帰るのだって癪である。もしかしたら、また始める可能性だってあるのだから。
「これ、ドーゾ」
「あ、また買ってきてくれたんだ。ありがとう」
嫌われてるのに悪いね。
なんて、彼は白々しく言う。
だから、ミーアは返してやるのだ。せめてもの反抗を。
「でも2つしかなかったの。だからレディー優先でもいいわよね」
「ふ〜ん。…そうだね、仕方ないかな」
しかしキラは口ではそう言いながらも、ケーキの上に乗っかっていたシロップ漬けの苺を摘み上げた。
「ちょっと…!なに」
「ねぇ。君は苺の正しい食べ方って知ってる?」