3色フレーバー

□葡萄の糖度イコール、
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ドォン―――…!


美しい花火が夜空に咲く度に、歓声や拍手が上がる。
土手に座った2人。繋いだ手はそのままに、次から次へと上がる花火に心奪われていた。


「はい」

「ぅむ…っ」


その時、キラの唇に急に当たったのはさっきラクスに買ってあげたぶどうアメ。
一舐めすると、甘みが広がる。


「美味しいでしょう?」
「うん」

「お一つどうぞ」


差し出されたぶどうの一番上をキラは食べた。そして、そのままラクスに口付ける。


「ん、ふ…っ!」


ぶどうアメは2人の熱い舌で溶かされ、すっかりただのぶどうへ。


「酔ったみたい…。ぶどうと君に、」


吐息混じりの彼の低音。
ラクスの耳からじわりじわりと心に浸透した。











「先生!ステラ、ステラね!昨日の花火大会でシンにりんごアメ買って貰ったのっ」


翌日、ステラのクラスの音楽の時間。いち早く音楽室に到着した彼女は真っ先にラクスの元に駆け寄ってきた。
よほど嬉しかったのか、満面の笑みで昨夜の様子を話してくれる。


「良かったですわね。ステラさん」

「うんっ!ねぇ、ラクス先生ぇー?ココの赤いのどうしたの?りんごみたいだね」

「…っ!ぃえ、あの…こ、これは…!」


ステラは自分の鎖骨辺りを指差しながら、純真無垢な瞳で問いかける。隠していたつもりだったのに、見つけられてしまった彼の痕。
ラクスは真っ赤になりつつ、どう弁解しようとアタフタしていると彼女は自ら答えを見つけた。


「あ!ステラわかった!キラ先生だよね!昨日一緒に花火見たの?」

「…ぁ、はい」


ステラには要注意。
キラとラクスの間にそんな約束が出来たのは数時間後であった。






END
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