3色フレーバー
□ときには酸っぱいキュウイもある
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そして、時を同じくしてキラはと言うと―――。
「もうっ!やっぱり女の子って男に優しくされたら簡単に懐いちゃうもんなんだね。アスランも気を付けた方がいいよ」
「ああ。そう、だな…」
同じカフェテラス。キラとアスランは昼食を摂っていた。
もちろん、ラクスもキラもお互いが何をしているのか知らない。
キラの機嫌が悪い理由。それは、あの後追い掛けて嫌な光景を見てしまったから。
鋭い視線に驚きハッとした次の瞬間、そこにラクスの姿はなかった。鞄をひっ掴むと慌てて、彼女のいなくなったであろう方向へ駆け出す。
あれは取引先のご令嬢。彼女は既婚者で、留学生なのだ。きっと誤解してしまったラクス。どこかで泣いているかもしれない。最後に見た瞳は揺れていた。
人の少な目な場所を求めて、特徴的な色を目印に探していると、裏庭のベンチに座っているのを発見する。ホッとしたのも束の間、彼女の隣には男。
ハンカチを握り締め、俯くラクスの頭を男は撫でている。キラは出るに出れず2人から離れた場所で傍観するしか出来なかった。
しばらく、そうしていたらラクスが笑顔を見せる。すぐに鳴った携帯をキッカケに2人は手を振り別れた。
「何だよ…」
その後キラの携帯にもアスランからのメールを受信し、ここにいるのだ。
今はもうラクスに対する感情と言えば、怒りしか込み上がってこない。