3色フレーバー
□ときには酸っぱいキュウイもある
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「もうっ!やっぱり男性は綺麗な女性には弱いもの、なんですわね。カガリさんもお気をつけた方がよろしいですわよ」
「あ〜。そう、だな…」
ここは大学内のカフェテラス。なかなかオシャレなこの場所は、料理も美味しく人気スポットの一つだった。広さはかなりのものだが、お昼時になると生徒達でごった返す。
それでも、ラクスとカガリは空いた席を見つけ昼食を摂っていた。
いつもなら楽しい筈の食事。そして、いつもなら2人の彼氏であるキラとアスランが一緒なのだが、今日は女子のみである。
理由はラクスの機嫌にあった。
「ラクス、もう怒るなよ。ご飯美味しくないだろ?それにアイツのお前への気持ちは高校の時に思い知ったし、今更他の子に靡くわけないって。な?」
「…」
ついさっき彼女は見たのだ。
キラが派手な金髪の女の子と楽しげに笑い合うのを。
それだけなら構わない。キラはモテる。高校の時もよく見た光景だ。しかし、今日は何だか違っていた。
なんと、頬キスを許し抱き合ったのだ。
バイバイと親しげに挨拶をし、彼女はラクスの横をすれ違い教室を出て行く。見送っていたキラは、その時ラクスの存在に気付いた。
「あ、ラクス…。来てたんだ?」
「…っ」
まるで、見てたの?と確認しているように思えたラクスは、キッとキラを睨むと教室を飛び出した。
あまりにショックな出来事で、泣きそうになる。どこか1人になれる所を探していた時、大学で何かと可愛がってくれる先輩に捕まってしまった。
しばらく優しい声で慰められた後、カガリからメールを貰いここにいるのだ。
今はもうキラに対する感情と言えば、怒りしか込み上がってこない。