TREASURE

□My witch
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コンコン

「…はい」


キラは、珍しく子供たちが遊ぼうとねだってこないのをいいことに、久々に自室で読書にふけっていた。
ノックの音がするまで、今の時間にも気付かなかった。

夕飯だとラクスが知らせにきたのかと察しをつけ、キラはドアを開けた。


そこには…


「キラっ!Trick or Treat!!ですわ!」


満面の笑みでキラの前に現れた…ピンク色の髪が鮮やかな、魔女


「………」

「…キラ?」


彼は、彼女の格好を下から上へとゆっくり見渡した。
そのまま…無言で固まっている。


「お菓子下さらないと、悪戯しますわよ〜?」

魔女っ子さんは、首を横に傾げておねだりしてみる。


…だが、彼の反応は至って薄い。
ラクスも心配になった。


「あの…具合でも…」

「……ラクス」


やっと声を出したと思えば、すごく低い声


「…まさか、今日ずっとこの格好…だったの…?」

「?はい♪魔女っ子ですわぁ〜v」


そう言ってくるりと彼の前でも廻ってみせる。
フリフリの裾がふわっと翻る。


「………」


無邪気なその姿に魅入られもするが、彼は彼女の腕を引っ張り、部屋に連れ込んだ。

魔女っ子さんはビックリだ。




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