人魚の記憶
□Royal.03 伝承
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「ふーん…、てかこんな胡散臭い事を本なんかに書いていいのかよっ」
「昔からこの街には"人魚姫"の伝説が言い伝えられていて、この海も他の所と比べるとちょっと違うんだって」
そう言われ、また海を見る。
「…確かに、アクロイアやヨック島に比べたらちょっと違うな。
アクロイアやヨック島は、青いけどここはエメラルドって感じな色だな」
「まぁ、それが有名みたいだよ」
「でももう一つ有名なのがあんだろ」
「うん…“人魚の涙”」
“人魚の涙”とはここラクーアに伝わる二つ目の伝説。
一つ目は、人魚姫の発祥の地と呼ばれ海がエメラルド色をしている理由としょっぱい理由。
二つ目は、その人魚姫が王子から貰った赤い石。
自分を忘れて欲しくないとの願いで王子の枕元に置いて泡になって消えたと言われ、人々から赤い石は“人魚の涙”と呼ばれこの国に保管されている。
今は形を変えて、煌びやかなネックレスになっている。
「もしかしたらそれが、僕達の求めているのだったら」
「あぁ、ひょっとしたらひょっとしたら…ビンゴだぜ!
よし、アル!目的は分かってるんだ、聞き込み開始だっ!」
「わぁあ!兄さん!待ってよー」
元気よく駆け出した兄弟が目指すのは、赤い赤い“人魚の涙”
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