人魚の記憶
□Royal.07 赤色の涙
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「なぁ、"人魚の涙"ってここにあるのか?」
「え?」
「兄さん、単刀直入に言い過ぎ…
セリス、僕達は事情があって探し物をして旅をしてるんだ」
「探し物…?」
「うん。探し物は"賢者の石"って言う赤い石なんだ。
その赤い石が君が持ってる"人魚の涙"に似てるかもしれない…だから、ここに来たんだ」
「そう…」
「よかったら、見せてくれないかな」
アルはセリスにお願いをする。
セリスもそんな事でいいのならと、人魚の涙のチョーカーが収納されている箱を持ってきた。
─────パカ
「これよ?これが人魚の涙。」
箱の中には煌びやかな宝石の着いたらチョーカーが収納されている。
「でも不思議だよな」
「なにが?」
「"涙"って、透明だろ?
なんで赤色してて"人魚の涙"なんて呼ばれてるんだ?」
涙は血液が濾過したもの。
だから、しょっぱいが赤ではない。
「うん。これ本当は人魚の血なの」
「「え?」」
セリスの答えに耳を疑う。
「あ!本当の血じゃないよ!」
「び、びっくりしたぁ…」
「でもなんで、血じゃなく涙なんだ?」
「ここが人魚姫の発祥の地だってのは二人も知ってると思うし、人魚姫の話も知ってると思う」
「人魚姫って、あれだろ?
最後に王子様を殺せなくて、自分が泡になって消えるってゆう…」
「そう。
まぁ、昔の話だから私も詳しく分からないけど…でも言い伝えられてきたのは人魚の血、涙、鱗、肉には"不老不死"の力が宿ると言われているの」
「「不死、不死…」」
呼び名は違うが…もしかしたら二人が求めているものかもしれない。
そう思った兄弟だった。
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