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□ジルド
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‘ジルド‘

イタリアの端っこに位置する、殺し屋の実家。

ここは前来たときからたいして変わっていない。
人といったら酔っ払いと殺し屋と、・・・。
とにかくまともな人間がいる場所ではない。

建物は酒屋や武器屋。
民家などはほとんど無く、ほとんどの人は道の上で寝る。

今は朝方で、人通りは少ない。

二人は道に転がっている死体と生きてる人間を蹴らないよう、
用心して向かった。

起こしたら喧嘩をふっかけられるだけだ。




奥へ。

更に奥へ。

街の奥の奥。
もう人気のない場所で、二人は足を止めた。
ある建物の前で。

それは売春宿だった。

「なぁ、本当に連れてくのかよ?」

「・・・えぇ。」

「へいへい。」


ラークは乗り気ではなかった。
なんたって、ジルドという男は____。


古びた扉を開けた。
まず明かりのない部屋の闇が彼らを迎えた。

すると部屋から人が出てきた。
20歳くらいの露出度の高い女である。

「こんな朝っぱらから何のようだい?血祭りかい?」

いかにも不機嫌である。
アリアはあまり構わず話しかける。

「私はアリア。ひとつ聞きたいのだが、ジルドはいないか?」

そう言うと、女は目を見開いて驚いた。

「なっ・・・、アリア!?あの魔女かい!?
ほ、本当に来た・・・」

ヨーロッパで殺し屋のアリアを知らない者はいない。
悪魔と関わりがあるというのも・・・

「ジルドはいるか?」

アリアはもう一度促した。

「あ・・・あぁ、いるさ。
こっちだ。寝てんだよ。」

そう言い、案内してくれた。
ラークはあまり行きたくないらしく、二人の後を歩いている。

やっぱ生きてやがった、と呟きながら。


「ここだよ。あたしはまだ寝るから、勝手に話して帰りなよ。」

女はそれだけ言うと、まるで逃げるように去っていった。
それもそうだ。



「ジルド!!!」


アリアは勢いよく案内された部屋の扉を開けた。


そこに確かに ジルドはいた。
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