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□ジルド
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部屋中にいろんな種類のナイフが散らばっていた。
天井や壁にも突き刺さっている。

すると部屋の奥から声がした。
ジルドの声だ。

「やぁ片目サン。遅いお着きだね。」

ジルドは扉を開けたその目の前に立っていた。
まるで何もかもさとしているように。

「君の言いたいことはわかっている。また血なまぐさい情報を耳にしたよ、それも日本で。」

「日本!?」

ラークは耳を疑った。

日本に外国の殺し屋が入れるわけがない。

「日本の頭をとばして何が面白い。」

アリアは冷酷に言い放つ。
本題はそこではないからだ。

「ジルド、単刀直入にきくわよ。」

「イギリスへ、かい?」

「・・・」

「僕は全てを知っているよ?」

これだからジルドは油断ならない。
本当に彼の情報度は高く、そして勘もするどい。

「さっき君は何が面白いか聞いたね、いいよ。
答えてあげよう。」

そういうと、何か黒いアタッシュケースを取り出した。
開けようとした時、何か思い出したかのようにラークを見た。

「そういえばラーク君、君は嗅覚が優れるそうだね。」

「あ、まぁ・・・」

「なら、用心することだね。この中身はあまり美しいものじゃあないんだ。」

困惑するラークをそのままに、ジルドはケースを開けた。
その中身は・・・




「・・・!!」

「うぐっ・・・」

ラークは思わず鼻をふさいで部屋を出て行った。

ケースには、首の切断された男の頭部が入っていた。
だいぶ日がたっているらしく、カビがはえ、
ところどころ骨が見えている。
血だらけで、目を開いたままだ。

「僕が狩ったんだけどね、なんだろね。
臭いよね。」

ジルドはケラケラ笑いケースを閉じた。
アリアは鼻を覆いながら問いた。

「日本人・・・?」

「そうさ、日本人。
僕がわざわざ国をはなれて狩った首さ。
これだけ僕が動いたんだ。
君なら、これが誰だか分かるだろう?」

「・・・」

アリアは気づいてしまった。

血の気がひく恐ろしさを感じた。

「ジルドの・・・」

「・・・本当に勘がいいね。
そうさ。コレは僕の実の父さ。」





ケースから、何か赤い液体が流れ落ちた。
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