「ここは公平に腕相撲で勝負といきましょうか!」
「それ全然公平じゃない!ダンス対決にしようよ!」
「スポーツならあたしは何でもいいよー」
「じゃあバッティング対決!」
「えーっ、スポーツはんたーい!私苦手だもん!トランプしようよ!トランプ!」
「あの…もう普通にじゃんけんでいいんじゃ…」


プリキュアのリーダー?代表?の六人が、最後に残ったドーナツを争って大騒ぎしているのを、
私たちは傍目から眺めていた。
何というか、保護者ポジションっていうのかな。
雪城さんや美翔さんはそれぞれのパートナーを見て微笑みを浮かべている。
でも、どことなく楽しそうでもある。
「なぎさったら年上なのに皆と同い年みたい」
「咲、バッティング対決はないよ……。ここはスケッチ対決よね!」
「いや、それも無いと思うわ…」
蒼乃さんの小さな突っ込みは、多分この場の全員が思ったことだろうと思う。
「しっかし、皆元気ねー」
そう言ったのは来海さんだ。
どちらかというとああいうお祭り騒ぎに混ざるイメージがある来海さんだけど、
今日は静かに六人を眺めている。
「珍しいね、来海さん」
「そうかも」
自分でも自覚があるのか、呟くとカップに入ったジュースに口を付けた。
「あの六人だと、花咲さんだけちょっとタイプ違うよね」
私もジュースを飲みながら、前々から思っていたことを呟いてみる。
「そうねー、つぼみはどっちかと言うとおとなしい方だし、体育会系でも無いしね」
「のぞみもそこまで体育会系ではないけどね」
「そうね」
水無月さんと秋元さんが顔を見合せてくすりと笑った。
やっぱりこの二人って仲良いんだなあ。
「まあでも、あたしにとってのヒーローは、あの子しか居ないんだよねー、困ったことにさ」
「ヒロインじゃなくて?」
「うん。ヒーロー」
そんな、少しはにかんだ感じで笑う来海さんを見てると、本当に花咲さんの事が好きなんだな、って気持ちが伝わってくる。
何だかふと、響の側に居たくなった。


yes!



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