REBORN!

□君のいない世界を生きろと、君は平気で僕に言う。
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幸せ…
それはいったいどんな色だろう。

愛…
それはいったいどんな匂いだろう。

平穏…
それはいったいどんな音だろう。







好きだった奴が死んだ。

死ぬほど愛した奴が、一生離さないと誓った奴が俺の目の前で、それはもうあっさりと。

大丈夫か?

皆が馬鹿の一つ憶えのようにそう聞いてきた。
そしてその度に俺は答えた。


ああ大丈夫だ。




部屋を見渡しても、ベッドを覗いても、大声で呼んでみても、あいつの存在が感じられない。

大き過ぎて不釣り合いだった椅子に身を投げると、冷やりとしてまるで拒まれている感覚がした。


そう、この世界中のどこを探しても彼はいない。
もう二度と声を聞けない。
もう二度と、会えない人。
大切で、かけがえのない…



「リボーン…」


急に余所余所しくなってしまったベッドの真ん中に身を投げて、リボーンは自らの名を呟いた。
同じように真似てみても同じじゃない。あの声でなければ、意味がない。

どうして先に逝った?


ふにゃふにゃした面を殴ってやりたい。顔が歪むほど力いっぱい殴って、あいつが泣くまで罵って、気が済んだらすぐにキスがしたい。
呼吸なんて出来なくなったっていい。呼吸困難でいいから、冷たくない、温かい唇にキスをしたい。

そしてできればそこで死にたい。
一人で生きていく現実から逃げることを許してくれるなら、満たされたまま俺を連れて逝って欲しい。



「…ツナ、?」


もっともっと呼んでおけば良かった。

もっとたくさん抱きしめて、もっと何度も愛してると言って、もっともっと一緒に生きていたかった。


「……応えろよ、俺が呼んでるんだぞ…?」


ツナ?お前は、今頃一人ぼっちで泣いてはいないだろか。
不安なことはないだろうか。


最後に抱き締めた身体は、まるで人形のようだった。青白い肌は押したらへこんでしまいそうで、重力に逆らう髪は、萎れたように地面に張り付いていた。

色彩を失った唇だけが、微笑んだような表情を拵えていた。


こんなもの知らない。
こんな姿、あいつじゃない。

これはツナじゃない!


棺桶で眠るあいつを背に、ツナの死を認めてすすり泣く連中に向かって大声で叫んでしまいたかった。







悪夢のように終わらないフラッシュバック。結局何も吹っ切れないまま、あの時と同じように唇を噛みしめ、涙に負けそうになる瞳を閉じた。
























『……ン、……リボーン?』


浅い眠りは終わりを告げる。
まだ戻りきらない意識を手繰り寄せ、リボーンはゆっくりと重い瞼を持ち上げた。


「…つ、な、」

『リボーン起きて。キス、しなきゃ…』


消えちゃう…と、本当に消えてしまいそうな声色で急かすその人。

世界で唯一の存在がオレを呼ぶ。
大好きな、その声で。


「ツナから…してほしい」


やっぱり温かいお前が良い。
お前の声で目を覚まし、生きているお前と一緒にいたい。



『…んっ…、する、するから…』


泣かないでリボーン、オレの大切な人。優しく囁き、馴染んだ手の平が頬を撫でた。
もう二度と一人になんてしないから、と。




「…っツナ、ツナ、」

『リボーン、ここにいるよ、』





もう二度と、


君を一人になんて、してあげないから。






───────────────

描けないよ(T_T)
腕とか髪とか手とか骨格とかしっちゃかめっちゃかですね。

本当にすみません(土下座×永遠)


お気付きになった方もいらっしゃるかもしれませんが、一応ジ●ン・レ●ンさんオ●・ヨ●コさん夫妻の写真がモデルになってます。
あの写真を撮った数時間後に彼は銃弾に倒れたのかと思うと、胸が苦しいですね。


死ネタで入りましたが、ハッピーエンドだと言い張りますよ。

補足すると…
ツナの死に打ち拉がれるリボーンを見かねて、天国から脱走してきちゃったツナです。
数時間置きにキスしないと消えちゃうという、メチャクチャ都合の良い設定。



おまけ→

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