REBORN!

□Love, all of you
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やっぱり視線を感じる。
ほら、皆が振り返っていくしポーッとこっちを見てる人だっている。リボーンて凄いよな、だって本当モデルみたいだ。Milano Collectionで見たLANVINとかGUCCIとか、普通にそんな感じだもの。





「リボーンのこと皆見てるね」


恋人としてとても誇らしい。だけどちょっとだけ嫌だな、とも思う。だってリボーンのこんな貴重な姿、オレだって初めて見たのに。ズルいよ。

…こんな女々しいこと言えないけど。



「何言ってんだ、回れ右して振り返ってみろ」


え?何だよ回れ右って。いったい何があるって……ん?


「ね、リボーンリボーン。あの人たち何…」

「お前本当モテんな」


えー、何かオレ見られてるよあのゴツイ集団に。つかめっちゃ笑顔で手ぇ振ってるよ超こえーんですけどマジで。


「…忘れて。俺もそうするから」

「安心しろ、既に記憶にねえぞ」


考えてみればこういうことってよくある。リボーンのモテ具合が面白くなくて女の子たちに見せ付けてやろうかとか考えていると、逆にリボーンの方から指摘されるんだ。

でもね、思うんだけどあの不審野郎集団がオレを見てるのかなんて分からないじゃないか。もしかして男から見ても格好良いリボーンに見とれているのかも知れないだろ?
オレの背中に視線が刺さるのだって、それこそ嫉妬かも知れないじゃないか。

……やめよ。何か馬鹿みたいだ。






「ツナ、デートってどっか行きたいとこでもあんのか?」


色々考えていたら急にそんなことを聞かれた。行きたいところか。行きたいところ…うーんそうだな、えーっと…


「ぅ─……別に?」

「ハァ…お前なぁ…」


だってデートの目的は達成したし、元々何処か行きたくて誘ったんじゃないし。そうだな…あ、敢えて言うならあれかな。


「でもね?一つ欲しいものがあるんだけど」

「何だ」

「パジャマ!」


オレは今日から短パンで寝るのを止めることにしたんだ。それにジャージだって何だかみっともないし。良い機会だからちゃんとしたの見に行こう。

でもね、リボーンと同じのを着て寝てみたいってのも大きな理由に入ってるんだよ。いい大人が可笑しいと思う?
同じパジャマを着て寝るなんて新婚夫婦みたいでちょっと笑えるよね。


最初は不思議がってたリボーンも、二人で一緒のが着たい!って言ったら意外にもあっさり納得してくれた。
オレは長ズボンになってリボーンも裸じゃなくなれば、これでちょっとはセクハラもマシになるかも。







…そこまでは良かった。
何気にリボーンもノリノリで、それなら良い店があるからとある所まで連れてこられるまでは。…全く信じられない。


「オレたまにお前のこと本気で心配になるよ…」


ショーウィンドーの中には何故か女性のマネキン。白やピンクや紫の衣装を身に纏いポーズをキメている。
うん、この際色とかポーズはどうでもいいんだよ。問題はそのマネキンがヒラヒラのブラジャーとイヤに面積の小さいショーツしか着ていないってことなんだからさ。


「ナイトウェアはランジェリーショップのがオススメなんだぞ」


もう…何なんだよお前。


「…誰がいつネグリジェとか着たいって言ったんだ」


ていうか野郎二人でランジェリーショップに入ろうと考え付くところがリボーンの凄いところだと思う。いや凄いって言うか厚顔無恥って言うか。
リボーンが大丈夫でもオレは常識人だ。入れるわけがない。渋る此奴を引き摺ってメンズのショップにも行ったんだけど、パジャマとなるとなかなか取り扱いが無くて。



結局俺たちは完全国内生産のオーダーメイド専用インテリアショップに来ている。
屋敷の調度品や家具などはアンティークの一点モノが多いから、モダンな造りはとても新鮮だった。



「ツナ、色も統一すんのか?」


ハンガーに掛かったパジャマを見ていたリボーン。そしたらやっぱり手に取ったは黒のそれで。思わず笑ってしまった。


「わ!すっごく似合うよそれ」


やっぱりリボーンは黒だよね、うん。あ、シルクはスベスベだな。
ちなみにパジャマもオーダーメイドらしい。ハンガーの製品で大まかな型を決めて、生地は専用のファイルが用意されているんだけど…これ見るの結構なページ数があって正直疲れちゃった。

こんな時は物知りな此奴に決めてもらおう。あれ?そういえばリボーンどこ行った、


「リボー………ん?」



ハァ─…何でそれに拘るかね。そんなにオッサンのふりふりネグリジェ姿が見たいのか。何だか可哀想な子みたいだよ。


「せっかくオーダーメイドすんなら一番似合うやつがいいだろ」

「残念でした!オレもうこれにしたもん。ほら!お前もさっさと決めて注文するぞ」


リボーンの要望は断固拒否でオレはベージュのを押し通し、リボーンはブラックの生地を選んだ。出来上がりは5日後だって。凄く楽しみだ。















「…ね。何か恨みでもあんの、オレに」


悲しくて仕方ない。ていうか何の為にあんなに入念に打ち合わせたんだろう。
何だろう、ジャージとか短パンの方が大分マシじゃないか?


「なかなか着心地いいな」

「…お前ならきっとパジャマでもコレクション出れるよ」


何でこうも無駄に格好良いのかな此奴は。それに比べてオレときたら……ハァ……不公平だ。



「お前も似合ってんじゃねえか」

「何処がだっ!」


オレは確かにこの生地を選んだよ、選んだとも。だけどな!型はリボーンと一緒だった筈だろ?お揃いなんだからさ。


「綺麗な脚が目立つだろ?」


なのに何でお前にはあってオレには無いんだ。


「嬉しくねーよ!」


ズボンが…。
いつの間に注文内容変更したんだ此奴。しかもそのままお揃いの上着だけかと思いきや、ちゃっかり裾が広がってワンピースみたいな出来だからきっと勝手に型を変えやがったんだ。



「俺はお前とお揃いが着たかったし、お前には一番似合うやつを着て欲しかったんだ」


騙されない!
騙されないぞ。今まで何度その手に引っ掛かって泣きを見たかわからないんだ!


「ツナ可愛い。好きだ、ツナ…」


気をしっかり持て。奴の目をみたら終わりだ。



「なあ、こっち見ろよ…綱吉」




目を見ちゃ………だ、め、……








もういいや。

リボーンはスーツも私服もパジャマでさえ格好良いんだって十分分かったからもういいよ。


だからお願い。



普通のパジャマ作ろう?















fin...

→あとがき

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