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Re:短編小説
湊都
[ID:37102525]
「誕生日、おめでとう」
俺は目の前の二つのグラスに飲み物を注ぐ。
「『クリスマスイブが誕生日なんて嫌だ』って、いつも言ってたよな」
俺は小さな箱を、向かいの彼女に渡す。もうひとつ同じ箱を取り出し、開く。
小さなペアリングを。
「ほら、俺とお揃い!」
リングをはめて、俺は彼女に向けて笑う。写真の中で、優しく微笑む彼女に。
「初めてのクリスマスイブ、一緒に過ごせなかったな。楽しみにしてたのに」
12月24日。彼女の誕生日。
彼女が世界から消えた日。
誕生日にその命を落とした俺の彼女。
「誕生日おめでとう、朝菜。大好きだよ」
俺の心をあげるから、君にもう一度会いたい。
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