箱庭の宴

□いい子かわい子
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『禊くん、大好き』

なんて、本人の前で言えたらいいのにな。
ぼんやりとした頭にぼんやりとした目で
遠くの禊くんを眺める。

『禊くんは、とってもいい子なんだよ』

仲間思いで、私にも優しくて、仲良くしてくれて
こんな私のことを可愛いね、といつも言ってくれる
禊くん、とってもいい子でかわい子なの。
好き好き大好き愛してる。今すぐぎゅーってしたい。

「でも、彼はめだかちゃんが好きなんだぜ?そんでもって僕の事も好きなんだぜ」

『なじみちゃん、いじわる』

いいの、いいの。
そんな禊くん大好きだもん。
禊くんが禊くんなら何だっていいし
禊くんが禊くんでいてくれるならどうだっていいの。

「…君も意地悪だ。彼の気持ちを知っててそうやっているんだから」

『禊くん、の気持ちなんて知らないよ』

かっこつけてばっかだもん。
私の前じゃ少ししかかっこ悪い所見せてくれない。
なじみちゃんの方が禊くんは禊くんらしい。

「…ふーん。ま、そういう事にしといてあげるよ」

『なじみちゃんって可愛いけど、意味わからないね』

「そういう君も、可愛いけど意味わからないぜ」

やれやれだぜ、なんて言ってるなじみちゃん。
本当に意味わからない、神様のいうことはよくわかんない。
わかんないから鼻歌うたう。

「…本当に、二人ともいじらしくていい子だよ。そんでもって両片想いのかわい子だ」

『なじみちゃん、なんか言った?』

「いいや、皆平等にクズでいい子かわい子だよ」

『どえす、だ』

鼻歌まじりの談笑をしながら
禊くんが遠くで転けている姿でなじみちゃんと笑った。




いい子かわい子
(このままでも面白いけど、早くくっつかねーかな。何時迄もうじうじしてちゃ球磨川くんかっこ悪いぜ)
(今日も私は禊くん大好きで、なじみちゃん神様は可愛いです)

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