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□鼓動と下心
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俺がダイニングに入ると、まだウソップ達は戻ってなかった。やった俺が一位だ!って喜ぼうとしたら、***がナミ達に囲まれてうずくまってた。


「ど…どうしたっ!?」
「今の雷がよっぽど怖かったみたいで泣き出しちゃったのよ」
「***!ほらルフィが戻って来たぞっ?」


***はゆっくり顔を上げて俺と目が合うと、泣き顔をもっとくしゃくしゃにして勢いよく俺にくっ付いてきた。
すげー怖かったのか顔が俺の肩に埋まっちまうほどくっついてきて、俺はギュッと抱っこして***の背中をポンポンと叩いた。


「大丈夫、大丈夫だ」
「…っ……」
「アイツらだってすぐ戻ってくるし、こんな雷じゃサニー号は沈まねぇ」
「……」
「それに何が起きたってお前は俺が絶対守る」


やっと顔を上げた***は本当に?って顔だった。俺は嘘じゃねぇ!本当だ!って言ったら、***はまだ泣いてたけどちっさく頷いた。なんだかまた泣きそうな気がして、俺は指で顔に残った涙の跡を拭いた。

その後ウソップ達が戻ってきて、サンジはくっつくなだの距離が近ぇだのギャーギャー騒いでゾロがウルセェって
混じってケンカが始まってたけど、***はやっと安心したのかいつもの笑った顔に戻った。


「ところで***、いつまでルフィにくっついてるのかしら?」
「!!?」


ナミが笑いながら俺にくっついてる***をはがした。別に俺は構わねぇのに。
***は真っ赤な顔してワタワタとナミに説明しようとしてる。んーと、


「俺がゴムだから怖いが減る?なんだそりゃ」
「ああそういう事ね。つまりアンタは雷が効かないゴム人間だから、アンタの側にいれば多少は恐怖が半減するかと思ったみたいよ」
「ふーん」


もう一度***を見ると、真っ赤な顔のままで今度はちっちゃく服のスソをつまんだ。…なんかそれ可愛いな。


「よし!じゃあ今晩は俺が雷からお前をかくまってやる!次から雷がきたら俺に抱きつけ!」
「ナニィこのクソゴムッ!!そんなおいしい展開は俺が許さんっ!!」
「テメェにおいしい展開なんざ一生来ねぇよ」
「んだとクソマリモッ!!」
「あぁやるかゴラァ!?」
「おいおい落ち着けよお前ら」
「ルフィにくっついてると雷が怖くなくなるのか!?ルフィすげぇ!」
「いや違ぇだろ」
「サブタイトルは船員公認公開セクハラってとこかしら?」
「止めてロビン!なんだか卑猥で***が汚れる!!」


俺が***を前に引っ張って後ろから抱きつくと、みんながまた騒ぎ始めた。前も聞いたけど『ひわい』ってなんだ?
***はそんなみんなを見て笑ってるみたいだ。よくわかんねぇけど安心したんだな!

ただ、***をギュッと抱き締め過ぎたのか、俺は息がちょっと苦しくて腕の力を少しゆるめた。
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